お客さん一人ひとりを大切に。信頼の20年。(2) 高松 素弘さん /Syun
- インタビュー・構成:熊澤 拓喜
- 2016年2月17日
- 読了時間: 5分

――具体的にはSyunのサービス内容はどういったものなのでしょうか。
メインのお客さんとして、あるマスコミ系の会社さんとお付き合いをさせて頂いています。そこでは主にインターネット関連のシステム開発・保守を担当しています。
――そこって単にホームページっていうだけじゃなくて、いろんなこみいったシステムとかありますよね。
そうですね。課金システム、記事を書く人が入力すれば自動的にホームページにするシステム、スマホで見たときにデザインが全部変わるシステム等、そういったウェブサイトの裏の仕掛けを手がけていて、百台以上のサーバの管理もしています。
うちには営業がいません。いずれも営業がお金儲けのために取ってきた仕事ではありません。一つ作ったら「次はこれをやってくれない?」「あれもやってくれない?」っていうのを続けているうちに20年が経っていました。
ただ、普通の会社だと、営業や経理があって、さらに社員の上に課長・部長・社長がいてとなるので、ひとつ開発の仕事を受けても付随する人みんなを食わせないといけないですよね。
それに対してうちは営業職もいませんし、一応僕が社長なんですけどいわゆる社長業はしていません。全員が現場の技術者なので、コストダウンした見積もりができるというところもあるんです。

――お仕事とかも外注に出さず保守とかも全部自分たちでやるためには、人数がいたほうがいいと思うんですけど、会社を大きくするつもりはないんですか。
会社を大きくすると、どうしてもみなさん同じ道を歩むんです。
反面教師になってるのは電機メーカーに勤めてた時代の経験です。多人数で作るといろんな歪が出てくるんですね。
これはソフトウェアの開発だけじゃなくてどんな物をつくる場合でも同じだと思うんですけど、人数が増えれば増えただけ複雑になったりとか、ミーティングが増えたりとか、無駄な時間がどんどん増えていくんですね。
必然なのでしょうがないのですが、コストがかさむし、トラブった時に図体がでかくて身動きが取れなくなります。
そういう世界を見て来て、ソフトって4,5人で作るのが楽しいかなって思ってるんです。
当然、会社を大きくしたほうがお金儲けにはなると思うのですが、結局、反面教師と同じ道を歩むことになり「何のため仕事してんだろう?」っていう感じになっちゃうと思うんですよ。
だから、大きなお仕事の依頼を頂く時もあるのですが、お断りをさせていただく事も多いです。僕は、お金儲けより、少ないメンバーで楽しく作るほうが好きなんです。
――取引先はほぼ都内だと思うんですが、企業から受注をするときに我孫子や柏にオフィスを構えて不利に感じることはありませんでしたか。
僕、通勤苦手なんです。(笑) あわよくばもっと田舎に、オフィスを移転したいと思っています。軽井沢に新幹線が開通した際には、軽井沢オフィス計画っていうのがありました。
もし、オフィスが田舎にあるのが原因で取れない仕事があればもうしょうがないかなって。
現在は、お客さんとのミーティングのほとんどがテレビ会議で済ませてる感じで、将来地球の裏側に引っ越してもたぶん誰も困らない状況になりました。
――同業種が集積している都内にオフィスを置いておくメリットは、あまり感じないのでしょうか?
それはたぶん、Syunでは基本的にワンストップのサービスをしていて外注に出すことがないんで、同業他社の集積にあまり意味がないんですよ。逆に、周辺にスタッフが住んでる柏にオフィスがある地の利を感じています。

――リクルートとか採用とか人集めってどうしてるんですか。
広告媒体で採用しています。昔は出せば良い人に出会えていたのですが、最近あまり良い人に出会えていなくなってきました。
――アルバイトも結構募集されるんですか。
実は、僕は学生が最強だと思っています。自分も一番脂のってたのは学生のころでした。
時間が湯水のようにあって新しい知識を吸収できる。当然経験が足りないので、へまもいっぱいやるんですけど。
――高松さん自身は、こういったエンジニア系のスキルっていうのをどこで培われたんですか。
実は人から教わったことはないんです。
うちのスタッフも教わったことはないと思います。全部独学。僕が勉強した当時は本です。僕の頃はネットはなかったからですが、今はネットですね。
自分でネットで調べて先に進めないタイプの人は、うちみたいな会社だとたぶんやっていけない。うちは、基本的に全員なんでもやらなきゃいけないので(笑)。
――保守もされていて、365日対応とかあるじゃないですか。正直残業が多かったりだとかしないんですか。
トラブル対応はちょっと別途なんですけど、基本的に定時で帰ります。
上の人がいるとスタッフも帰りずらいので僕は意地でも六時半になったらサクッと帰ります。そして家族と飯を食うのがポリシーなんです。
うちの親父は高度成長期のモーレツ社員で、毎晩、家に帰れず家族と飯食ったのなんてほとんどありませんでした。
僕は、親父と自分の電機メーカー時代の経験が反面教師なんです。
お客さん一人ひとりを大切に。信頼の20年。 高松 基広さん /Syun
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