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出会いと直感で、柏をデザイン(1) 竹田 良子さん・加藤 成実さん /BIZ DESIGN

左から加藤成実さん、竹田良子さん

BIZ DESIGN代表の竹田良子さんが柏に事務所を構えて、10年。

千葉県の警察や国民保険のポスター、千葉県内の給食でお馴染みの「フルヤ乳業」の商品デザイン、柏の著名な飲食店のホームページデザインなど、地域に根差したデザインを多数手掛けてきた。

モデルの加藤成実さんは、柏のご当地アイドル「コズミック☆倶楽部」のメンバーとして活躍する一方、竹田良子さんのもとで地元密着のファッション・美容系フリーペーパー『Chiba Cawaii club』を創刊し、編集長をつとめる。

まるで家族のような親密さを見せる、竹田さんと加藤さん。『Chiba Cawaii club』を通して、お二人が目指すものは何なのか。お話を伺いました。

なんでも興味があって、自分で知りたくなっちゃうんです

竹田良子さん(以下、竹)――好きだったんですよね、ものを作ったりするのがすごく好きで、それでお茶の水の専門学校に入ってデザインを勉強したんです。 グラフィックデザイン科を卒業して、最初はお茶の水の広告代理店に勤務しました。

けど、私、就活っていうのをしてないんですよ。これまでの人生、ほとんど運で来てる人なので。

当時、デザインの学校で勉強しながら、ファミレスでアルバイトをしてたんです。そこに、広告代理店の社長さんがゴルフ帰りにごはんを食べに来て。

ちょっとお話しをしたら「君、デザインの勉強してるの? じゃあさ、こんなところでバイトしてないでうちの会社で働きなよ」って言われて…(笑) 成実はこの話、知らない?

加藤成実さん――知らなかったです。そんなんだったんですか(笑)

竹――そうだったんだよ。その会社でアルバイトを始めて、そのままエスカレーター式に就職したから、就活ゼロ。

まあ、何やってたかというと、ずっと線を引いてただけなんだけど(笑) 当時はパソコンがないから。溝引き定規っていうまっすぐ線を引ける定規があって、線を作るのもぜんぶ人の手でやってたんです。文字の大きさまでぜんぶ自分で決めるアナログ時代でした。

その、最初に勤めた会社は企業的な仕事ばっかりだったから、身近な印刷のことも学びたくなって会社を変えたんです。

そこでしばらく働いたら、パソコンが出てきたの。やっぱりこの先はパソコンだと思って、「社長、パソコンを導入しましょう。ITですよ」って言ったら、「いや、そんな投資はできない」って言われてしまったので、また会社を変えて、これからパソコンでデザインやるっていう会社に入ったんです。

そこでパソコンを学んで、印刷からパソコンまでぜんぶ自分でできる、っていうので独立したのが27歳だったんですよ。

…独立してからも、引き続き受けたデザインの仕事がいくつかあったんですね。だけど、いやじゃないですか、会社は辞めて仕事だけ持っていくみたいなのは。会社とも話して、その会社は印刷が主な会社だったので、印刷はぜんぶその会社に出すようにしたんです。お給料をもらった分は返しましたね。

その時はBIZ DESIGNとしてじゃなく、竹田デザインルームっていうフリーランスとして独立したんです。 あんまりその、後先を考えないでやる性格なので、独立したとき親にすごく反対されたんですよ。「月にいくら収益があって、どう生活してくんだ」って。

けど、わからないよね、それは。やってみないとわからないから、まあ、「わかったー」って言って、独立しました。

それで、しばらくフリーランスでやってたんだけど、ちゃんと会社にしないと良い仕事が受けられないっていうのもあって。 たとえば、会社に在籍していたときは大手商社さんの仕事なんかも受けていたけど、ある程度の金額以上になると、個人じゃ信用がないから受けられないんですよ。担当者同士は良くても、大手企業がかかわってくると受けられない。

それで、法人化して株式会社BIZ DESIGNを作ったんです。

自分の思いを直接、クライアントさんと話せるのが幸せ!

竹――会社に勤めてた頃は、上司にデザインのプレゼンして、その上司がクライアントのところに行って、私は連れてってもらえないっていう感じだったの。

ふつうデザイナーも一緒に行くものかなと思いますよね。クライアントさんに自分で説明できなくて、上司の好みでデザインをだめだって言われるのがすごく納得いかなくて。

独立してからは、自分の思いを直接クライアントさんと話せるのが幸せ。納得してもらえるから。

「これはちょっと取ってくれ」って言われても、「いや、こういう思いがあるからやるんですよ!」って説明すれば「うーん、そうか、やってみるか」ってなるんです。

これが上司だと、「だめだ。これは絶対だめって言われるから取りなさい」ってなっちゃう(笑)

だから、自分でクライアントさんに直接プレゼンできるようになって、すごく、幸せですね。

デザインに大事なのは、どうやったら伝わるか

竹――けっこうね、デザイン系の雑誌なんかを見てると、英語でかっこよく文字を書いて黒と白でシュっとまとめるとか、そういうデザインが多くないですか。でもデザインってふつうは民衆の中にあるものだから、皆さんにどれだけ伝わるか、どれだけ共感してもらえるかが大事だと思うんですよ。

私がやってるのは「皆さんにわかってもらえて、共感してもらえるようなものづくりを、より身近に」ってことなんです。たとえば、私がやってるのは、地域の皆さんのお手元に届くフリーペーパーだったり、地元の商品のパッケージだったり。

クリエイティブデザイナーっていってぼーんと名前が出る人もいるけど…大事なのはその人が目立つことじゃなくて、どれだけわかりやすく説明できるかだと思うんです。

かっこいいデザインっていうよりかは、どうやったら伝わるかってことを考えてデザインする。それがデザイナーの役割だと思う。

情報が多かったら、スッキリまとめてスリム化して伝えてあげたりね。整理してあげる仕事っていうのかな。それはクライアントさんに対してもそうですし、それを届ける一般の皆さんのところに対してもそうです。

あとは、「共感」って面でいえば、たとえばこのご当地カレーの「柏カレー」。これは、地元のお野菜を使って、地元のボンベイさんっていう人気のカレー屋さんが監修・スパイスの提供をしてくれたもので、うちでパッケージデザインをしてるんです。 

この、パッケージの四コマ漫画は、コズミック倶楽部のプロデューサーでもある爆風スランプのパッパラー河合さんに書いてもらったの。

パッパラー河合さんは柏市の出身で、みんな名前を知ってるし、パッパラー河合の檄!レイソル日記ってブログでもこういう絵を披露してるから、「あ、河合さんが書いてんじゃ~ん!」って共感してもらえるんですよ。

千葉の国民健康保健啓発ポスターの「はいっ、元気です!」ってキャッチコピーもそうで、千葉県民に共感してもらえることを大事にしたものなんです。

千葉県の小中校は出席確認の時「はい、元気です」って言わなきゃいけないんですよ。朝の健康観察っていうので。

これは千葉県民にしかわからないんだけれども、これでいいんです。千葉県の中でやってることだから。こういうのが、地域でデザインすることの醍醐味ですよね。

これを全国版でやったら、何やってんだよってことになっちゃいますから。

「はい、元気です」ってなんだよ、もうちょっとちゃんとしてくれよ、って(笑)

出会いと直感で、柏をデザイン 竹田良子さん・加藤成実さん / BIZ DESIGN 

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