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仲間とともに「世界一愛される会社」を目指す。(2) 渋谷 修太さん /FULLER


「みんなの夢がかなう場所があったらいいなって思いました。」

――では、渋谷さんが起業を意識されたのはいつごろですか?

僕が起業を意識したのは18歳ぐらいのときです。大学に入る前は高専にいたんですが、 当時僕には夢がなくて(笑)

まぁゲーム作りたいとかやりたいことはあったんですが、周りの友達には結構夢があったんです。「プログラマーで一生やっていく」とか「デザイナーなるんだ」とかっていう人がいて、すごいなぁと思いました。

それで、自分も夢を探そうと思って。当時プログラミングなどもやっていたんですが、自分よりできるやつ、本当にすごいやつっているんですよね。

そんな中で、じゃあ自分は何ができるかって考えたときに、人と話すことや、人をまとめることが得意だなと思いました。僕、高専で寮生活をしていたので、人をまとめることとかよくやっていたんです。それで、プログラミングじゃなくて経営をイメージし始めました。

――渋谷さんは技術に従事するというよりも、人を組織化したり調整したりといったことに関心をもっていらっしゃったんですね。

そうですね。 僕、10代のときにみんなで夜に将来の夢を語り合ったことがあるんです。僕自身はそのとき夢はなかったんで、みんな素晴らしいなぁと思いました。

そしてそのとき、「みんな一人一人が今もっている夢を叶えられるような場所を自分はつくりたい」と思いました。 それを実現するために会社をつくって、そのとき語り合ったメンバーが、今会社にいるんです。18歳のころの夢を、僕は叶えつつあるんです。

僕、夢をもってる人が好きで応援したいって思っているので、その夢が叶ったときはやっぱりすごくうれしいです。それで、そういうことができる人生がいいと思っていて。

「インターネットは絶対今だ、と思いました。」

――では、インターネットの世界を選んだきっかけはありますか?

就活をしていた大学3年生の夏休みに、10日間くらいシリコンバレーに行ったんですよ。自分でアポをとってGoogleとかAppleとかFacebookとかにオフィスを見せてもらって、すっごい衝撃を受けたんです。

――どんなところに衝撃をうけたんですか?

向こうのオフィスってすごくて。日本みたいにビルの中に入ってるんじゃなくて、キャンパスみたいな感じでした。Googleなんて、広い敷地にビーチバレーする場所とかプールとかあったんです。 そこでみんなすっごい楽しそうに働いてたんですよ。日本の東京と全然違いました。

それを見たときに、「あっこれ日本負けるな」と思ったんです。働く環境の時点で負けてるなと。それでその瞬間に、このスタイルだ、これがITの時代なんだと思いました。で、インターネットは絶対今だ、と思いました。

だから、インターネットの会社に入ろうと思ってGREEに入社しました。

――なるほど。ではGREEを辞めて起業する最後のきっかけはなんだったのでしょうか?

もともと起業したかったので、GREEで働いているときも、こういうのやったらいいんじゃないかとかずっと考えていました。

そのあと、2011年に実際に会社つくることになったきっかけは、ライフネット生命という会社をつくった岩瀬大輔さんと会ったことです。高専時代、彼の『ハーバードMBA留学記』って本を読んだんですが、それが起業を考えるきっかけの一つになったんです。

それで、彼がやっている起業塾に参加して本人の前でプレゼンをしたら、「応援するから、今もう会社やんなよ」って言ってもらえたんです。

自分の夢をもらったきっかけの人が後押ししてくれて、しかもちょうど当時スマートフォンっていうものが出てきて、あたらしいビジネスがどんどん生まれていた時代だったので。 「スマホの時代がきたし、この人がサポートしてくれるし、今だ!」って思って起業しました。

仲間との起業――「不安というよりは、すごくわくわくしていました。」

――最初、つくばの大学近くのアパートで起業したとうかがいました。

はい、一番最初の頃はアパートで、そのあとは一軒家を借りて共同生活をしながら開発していました。

――どうしてそういったやり方を選んだんですか?

ふふっ。それ結構くだらない理由で、「ソーシャルネットワーク」(※1)っていう映画ありますよね。あれを観た時に、これやりてぇって思って、そこが始まりなんですよ。どうして選んだかとかじゃなくて(笑)

あの映画観てたら、みんなで暮らしながらなんかつくるって面白そうだなって思いません? これやりてぇ~って思って始めました。映画と違って煙突とプールはなかったんですけど(笑)

――そうだったんですね(笑) 共同生活をしていてよかったことはありましたか?

よかったことは、24時間ずっと一緒にいるので、本当に寮みたいな感じで、常にコミュニケーションとれるし、すごく楽しいってことですね。若いときにやるべきことだなって思いました。

――逆に悪かったことはありますか?

悪いこと……悪いこと……なんだろうな(笑)

う~ん、まあ、プライベートがあんまりないこととかですかね。

でも、会社が大きくなっていくと一軒家に一緒になんて住めないわけですよ。そんな家がないから。もうできないことなので、やってよかったなって思います。

――高専や大学時代の仲間と起業する、ということに対し不安はなかったですか?

う~ん。不安……というよりは、なんかやりたい!とか楽しい!とかそういう思いが強かったですね。すごくわくわくしてました。不安というよりは、やっとできる!みたいな感じです。

――でも、いろいろ教えてくれる先輩のような存在がいない形で始めたわけですよね。専門性などには自信があったのでしょうか?

スマートフォンが出てきてたタイミングだったので、スマートフォンアプリの専門家なんてこの世にいなかったんです。そもそも市場が新しかったから、そこで全員平等な戦いの始まりだったんです。つまりタイミングがすごくよかったんですね。

だから不安というよりは、「俺らはやるよね」っていう感じでした。

オフィスにある写真コーナーには、よく行くという社員合宿の写真が貼ってある。

やりたいことがあって、決断できる――高専出身者の強み

――社員が増えた現在も、高専出身の方が多いと伺いましたが、高専出身者の特徴や強みはありますか?

そうですね、技術面でもそうですが、楽しさベースで仕事をするっていうのが一番の強みですね。ものをつくることそのものを楽しむのが特徴だと思います。

高専出身者って、15歳のときに、普通の高校ではなくて高専を選んでいるんですよね。それって結構すごいことで、普通の高校に行く場合は、大学を選ぶときに初めて将来何がやりたいか選ぶと思うんですが、それを15歳のときに決めてるんですよ。

やりたいことがあって、それを決断できるっていう人は、やっぱり仕事しててもすごく楽しそうなんですよね。

(※1)Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグらを描いた2010年のアメリカ映画

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