top of page

出会いと直感で、柏をデザイン(2) 竹田 良子さん・加藤 成実さん /BIZ DESIGN

柏駅東口ダブルデッキでの『美少女図鑑』カメラテスト

『千葉美少女図鑑』との出会い

竹田良子さん(以下、竹)――美少女図鑑』ってご存知ですか。ファッションとか美容系の広告を載せている、地域のフリーペーパーなんです。特色は、地元の普通の女の子がモデルをやってるってことですね。

これは、新潟の株式会社テクスファームという、面白いことを次々と手掛けている会社が「クールローカル」を掲げて始めて、すごく話題になっていたので、ライセンスで全国に広まったものなんですよ。

そこから芸能界に入った二階堂ふみちゃんって子もいます。あの子、美容室に行ってて声かけられて、『沖縄美少女図鑑』の表紙になったのがきっかけだったの。

その『美少女図鑑』の千葉県版のライセンスをとったのが、パートナーの井上芳郎さんだったんです。私と同じで、楽しいことが好きで、思ったら何でもやっちゃう人なので。

で、芳郎さんはヘアーワークスヨシローっていう美容室をやってるから、ヘアメイクができちゃう。 私はデザインやってるから、できちゃう。

それで、モデルさんは、新聞の記事を見てカメラテスト(街頭で行う、モデルさんのオーディションのようなもの)に来る、と。

成実さんもそうでしたね。成実はお母さんが読売新聞の記事を見てカメラテストに来たんだけど、最初はモデル応募はしてこなかったの。

加藤成実さん(以下、加)――小心者だから、「いや、私なんて…」みたいな。

とりあえず柏でやってるし、プロのカメラマンさんに撮ってもらえるから行ってみようっていうので行ったんですけど、いざその光景を目の前にしたら、「私は違う」ってなっちゃって…。

そしたら、竹田さんが声をかけてくださったんです。

竹――美容師さんから「あそこにかわいい子がいるんですけど」って情報が来たんですよ。それで「ちょっとちょっと」って声かけて撮ってみたら、いやあもう、これは、かわいい。

芳郎さんと私が力を合わせれば、美容ができてデザインができる、ね。で、成実っていう娘のように可愛い女の子が来てくれて、『美少女図鑑』が完成して。だから、これも運命なんですよ。

成実さんカメラテスト時の運命の1枚

コズミック☆倶楽部を通して気づいた、ファンの大切さ

竹――でもね、美少女図鑑を6年間やってきて、何が残ったかな、何につながるかなって考えたんですけど、意外と…他にデザインにつながったかなと思うと……。

モデルさんもね、千葉美少女図鑑に載ったってことで、いろんな地域の催しに呼ばれたりしたんだけど…。

やっぱりね、可愛い女の子いるだけじゃイベントにならないし、ファンもつかないんですよね。なんにもできないから。

それで、いま、成実はコズミック☆倶楽部っていう柏のご当地アイドルのユニットをやってるんですよ。

2012年に「カシワシムスメコンテスト」っていうイベントで結成して、今年で3周年なんですけど、最初はまあ、ひどかったよね…(笑)

だけど、それをきっかけにファンがついたんです。いまでは福島のイベントまでおっかけてくれるファンもついて。やっぱりこういうの、大事なんだなって思ったんですよ。

加――自分の地域で頑張ってるっていうのが、応援してくださるひとつの理由になってるんですよね。

竹――そうなんです。……あのね、地下アイドルっているじゃないですか。 地下アイドルっていうのは自分を売り込むために、ツーショット1000円、握手1000円、とかなんですね。A○Bなんかもそうですけど。

対して、コズミック☆倶楽部は、写真撮り放題。握手し放題。おしゃべりし放題(笑)

コズミック☆倶楽部は、アイドルとは言ってるけど、地域ユニットですよね。地域を盛り上げるためのユニットです。

地下アイドルはほんとにね、握手券だけ取ったらCD捨てるみたいなこともありますけど、やっぱり、あたしたちはそういう考えではないので。

コズミック☆倶楽部はアイドルっていっても、あくまで身近な存在として活動して、写真を撮ってもらったらあえて拡散してもらってっていう形でやっています。

本当に、いまではコズミック☆倶楽部が、柏の街を中心に千葉県のアイコンになってる感じです。

「拡散力」と「個性」が仕事につながる時代

竹――いま求められてることは、自分の拡散力を生かすことなんです。

企業の採用試験で「私Twitterめっちゃやってるんですよ!フォロワー2000人いて」って言ったら「えっ、本当!? うちの会社で働かない?」ってなるくらい、拡散力って、それだけでもう自分の持ってるものなんですよ。

いま、企業さんもそれを求めてる。モデルの女の子たちが、何気なくブログでアップしてる記事の中にはお仕事として、ブログにアップしている内容も含まれているんです。

芸能人を使えばその人のファンは見ますけど、千葉県を愛してる人は見ないですよね。だから、千葉の企業さんがPRしたいんだったら、地元の女の子を使ったほうが絶対いいんです。

千葉に住んでる女の子たちが拡散すれば、お友達とか、その親、おじいちゃんおばあちゃん、みんな拡散してくれるから。

で、今の女の子たちにはTwitter、アメブロ、Facebook、インスタっていう多様な発信媒体があるでしょう。うちはdブックっていう、ドコモの電子書籍で情報発信できるコンテンツも持ってるんです。

そこでは、女の子たちが個人で自撮り写真集とか出してるんだよね。みんなスマホで撮るじゃない? 自撮り。それを売ってるんですよ。すごいでしょ。値段も勝手に決められる。これは300円ぐらいで売ってるのかな。好きなことを形にできるんですよ。

うちでは売り上げの20%を製作者にキャッシュバックしてます。1冊2冊だったらお金にならないけど、可能性がいくらでもあるんですよ、ITって。

すごいですよね、グローバルな、世界配信の時代。もし「あ、よさそうな本 売ってる。ダウンロードしちゃお」って人が何万人と出たら、すごい金額いっちゃうんですよ。

可愛いだけじゃいつか終わる

竹――成実は一時期、『千葉美少女図鑑』に出るのをやめてたんだよね。そこをちょっと、聞こうかな。なんでやめちゃったかって。

加――私は高校のとき芸能関係の学校に通ってて、高田馬場までダンスを習いに通ってたんですよ。なので、柏から都内に行ってる私、みたいな意識もあったりして…(笑)

芸能関係にすごく興味があって、芸能事務所になんでもいいから入りたかった。それで、芸能事務所に入ったんです。その間、千葉美少女図鑑はやめてました。

でも、その芸能事務所に入ったはいいけど何もない、レッスンを受けるだけで、1年ぐらい待ってるしかなかったんです…。

それで、その事務所をやめようって思って、ちょっと落ち込んでたときに、たまたまFacebookで竹田さんと連絡をとって。そしたら、竹田さんがすごく気さくに話を聞いてくれて、「また一緒にやらせてほしいです」ってお願いしたら、了承してくださったんです。それでまた、地域の活動を。

竹――…やっぱり、そういう芸能事務所では、女の子は商品でしかないんですね。仕事がとれないと、いらない。

そういう事務所の仕事の決め方って、まずはモデルのプロフィールを送って対象か否か振り分けるやり方なんです。 だから、クライアントの方も、モデルの子の本質は知らないんじゃないですか。

うちの事務所では、モデルの女の子は単なる商品じゃない。だから、いまうちの事務所では、モデルの子にぜんぶ自分でやってもらって、経験してもらってます。たとえば、成実は撮影の機材のセットも自分でやるんです。

ふつうは、機材のセットってカメラマンしかできないことですよね。でも、カメラマンがいないと何もできない状況は作りたくないんですよ。

撮影スタジオはある、カメラもある。環境はぜんぶ整ってるのに、「お金ないから、カメラマン雇えないね…」じゃ、だめじゃないですか。

与えられた環境をフルに使うためには、ぜんぶ自分でできなきゃいけない。私がいなくても、ここの事務所から離れても、ぜんぶ自分でできるように。

そういうことをしていかないと、ここにいる意味もないし、モデルの子に残るものが何もなくなっちゃう。可愛いだけじゃいつか終わるんです。だから今、ぜんぶ自分でやってもらってるんですよね。

出会いと直感で、柏をデザイン 竹田良子さん・加藤成実さん / BIZ DESIGN

(1) (2) (3)

Featured Posts
Recent Posts
Archive
Search By Tags
まだタグはありません。
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page