中国人スタッフと築く信頼関係。(3) 安村 雄一さん /美食中華 泰山
- インタビュー・構成:大坪正和
- 2015年12月12日
- 読了時間: 6分

本格的な香辛料が香るスペアリブ(左)と麻婆豆腐(右)
柏に来て感じた街の魅力
――二店舗目の時に柏を選ばれた理由は出身地だからという想いが強いんですか。
チャンスがあったのと、我孫子の店はお客さんは九割方近くに住んでるファミリーだったので、いろんな人が集まってくる柏でやってみたいなという想いがありました。
まあでもその時は、柏は候補の一つで、絶対柏と思っていたわけではないんです。
――柏で開業した時に苦労とかはありましたか。
最初はお客さんがつくまで、結構大変だったかな。お店がいっぱいあるので、その中で選んでもらうっていうのは、口コミだけじゃ大変(笑)
――選んでもらうためにどういったポイントを。
今までやってきた食材やなるべく美味しいものを、できるだけ安くといったことをそのまま続けただけです。
――こちらに開かれたのはいつ頃なんですか。
七年くらい前です。知り合いがこの通りの並びで中華物産店みたいな店をやってて、そこ顔出した時に、ここ空いてるよってたまたま教えてくれたんです。
そうですね。その時は、我孫子の店が結構好調になっていて、二号店も出来たらいいなっていうのはあったんで、その準備はある程度はしていました。

――柏でその中華物産店の方とつながりがあったっておっしゃってましたけど、柏の中での同業種さんとのつながりというのはどうですか。
この商店会は凄く仲いいんですよね。一応押し付けられてこの柏一小通り商店会の商店会長もやってるんだけど。
ハロウィンの時に、小学生の下校時間に合わせてお菓子を配ったり等のイベントも行ってます。
柏祭りの時は、この商店会はほとんど何もやってなかったんですけど、去年くらいから小さい子ども用のねぶたとかに通りを通ってもらうようにして。今年は通行止めにして模擬店も出来るようにしました。
この通りにも角のスペイン料理屋さん「サンラッソォ」、その隣の焼き鳥屋さん「ひよこ」、串あげ屋さん「さじろう」とか、色々新しい人たちが入ってきて、盛り上げていこうよってなってきてるところなんです。ここはメインの通りではないし、家賃も安くて穴場だから新しい人が多いのかな。
年配の方も、それに触発されてそういう風に意識が変わってきたのを見ると、押し付けられた商店会長も、ああ嬉しい、やりがいがあると思いますね。
――ユルベルトとかには参加されているんですか。
参加してますね。もっとここに集客するというか、知ってもらうには、やっぱりこの商店街も模擬店とかイベントをやっていかないといけない。柏ではそういうチャンスがあるから、どんどん飛び出していけば、つながりはどんどん作れる。
――そこが魅力だと感じますか。
魅力ですね。柏ってそういうのに若い人でも参加できる。役所とか商工会議所なんかがセッティングしてくれて。
天王台の時はほぼお客さんとの付き合いしかなかったですね。柏に来て商工会議所や市役所、いろんな人と仕事のつながりができてきてます。そこは全然違う。商店会長として色々なところに呼ばれて行くと、街づくりの面とかで勉強になるし、自分の視野が広がる。街づくりはこういうことなのかなとか。
――結構柏っていうのは他の地域と比べて、飲食店同士がギスギスしてないというか、お
店の店主同士でも仲良くやっていけてる気がするんですが。
そうだと思いますね。ライバルはライバルですけど、競い合って、それでもギスギスしないっていうのはね、いい関係だと思う。
みんなが自分の店だけじゃなくて柏全体で考えてるからですかね。街全体が盛り上がればって。ユルベルトとかみんな儲からないですもんね。でもお祭りを盛り上げるためなので。
若者も多いし、そういう空気というか、雰囲気が出来上がってるんじゃないですかね。
柏は一回始めれば、受け入れてくれる環境は整っている凄いやりやすい場所だとは思います。
ワクワクして楽しめる柏の街に
――今後泰山をどのように展開していきたいですか。
二店舗目、三店舗目、やりたいなっていうのはあります。人を育てたりするのも含めて、今は力を貯めといて、焦らずチャンスを待とうかと。
――人を育てるとはどういった意味でですか。
二店舗やるときに、新たに人を募集してやっても上手くいかないと思うんですね。ある程度育てて、任せられる環境が整わないと二号店て難しいと思うんです。自分の想いていうのを理解してもらえないと。
そうやって店舗を増やしていくと、スタッフも増えるし、いろんな人たちが集まるんで、その分自分のスキルも上がっていくと思う。雇う人みんなが自分よりスキルが下っていうわけでもないし。
――必ず受け継いでいきたいこだわりはどういったものですか。
飲食なので料理が一番じゃないですかね。お店の味を守り、引継ぎができるようにしたい。
一方で、料理に関しては常に挑戦してますよね。ずっと勉強というか、知らないことがいっぱいある。この魚はもっとこうした方が美味しいかなとかっていつでも考えてます。
一通りメニューを決めたらずっとそれでやっていくのではなくて、常に発展させる。
ベーシックなメニューにプラスしてどんどん新しいのを出す。いま人気の四川火鍋とかスペアリブとかも、オープンした時はやってなかったんですよ。
――料理人としての探求心が尽きることはないというか。料理が本当に好きなんですね。
そうですね。最近はチーフがいてお店でなかなか料理する機会が少なくなって、家で作ったりもしてます。それはやっぱり料理が好きだからやっているんです。
勉強する上で、他の系統のスペイン料理とかイタリアンとかを作ったり、そういったお店の料理を食べたりして、ヒントを得ることもありますね。

自宅で作った料理は写真で姪に報告
――どのようにして柏の街に貢献していきたいとお考えですか。
自分の出来る範囲での貢献は、皆が喜んでくれる店を作ることくらいかな。やっぱりそれが貢献することにつながると思う。
――柏の街にはこうなってもらいたいというのは何かありますか。
昔小さいときに柏に来ると、普段家の周りにいるときと違うわくわくというか、どきどきを感じていたので、またそういう雰囲気の街になってもらいたいな。もっと若い人たちが力を発揮して、よそから来ても楽しめるような街に。
――では最後に、これから柏で起業しようとしている人に伝えたい事はありますか。
起業するのは運。いろんなタイミングとかチャンスとかが必ずある。人の巡りあわせもそう。そのチャンスをつかめるように常に準備をして、柏を盛り上げてもらいたい。
焦って起業するぞって無理にお金集めて、ここでやるぞって思っても難しいものがある。
僕がこうあるのも色んなひとと出会って、経験を積めたから。日ごろの積み重ねた人脈などもあって、チャンスをつかめたのかなと思います。一個一個の出会いを大事に育てていってもらいたいですね。

電話:04-7147-4301
営業時間:ランチ 11:30~LO14:30
ディナー 17:00~LO22:00
定休日:火曜日
安村雄一さん/泰山
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