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中国人スタッフと築く信頼関係。(2) 安村 雄一さん /美食中華 泰山

  • 2015年12月13日
  • 読了時間: 8分

泰山

理想の詰まったお店の雰囲気

人に言われてやるくらいなら、自分のやりたいことがやりたかった

――一号店を我孫子で開業されたということなんですけれども、なぜ最初我孫子で開業されたんですか。

たまたまですね。一応出身が柏で、柏周辺で店舗を探してたんだけども、なかなか見つけらんなくて。そんな時、我孫子の方で偶然入った不動産屋さんで紹介してもらいました。2002年のことです。

――今も我孫子の方でされてるんですか。

我孫子のお店は閉めちゃったんですよ。お店が震災の影響を受けて、ビルがちょっと崩れたりして。

――我孫子で立ち上げられたときの体制を教えていただけますか。安村さんが店長として立たれて、料理はまたほかの方がやるんですか。

最初の時は厨房に立っていました。自分と、その時女房がいたんで。女房がホールやって、調理場とホールにアルバイトを一人ずつ。この四人体制ぐらいで始めました。

天王台はお店が少ないんですよ。オープンしてすぐに何の宣伝もしてないのに、もう満席になっちゃって。

安村雄一さん

――美味しかったんでしょうね。お野菜も新鮮で。

珍しかったんじゃないですかね。ただ来たお客さんがね、美味しくないとまた離れていっちゃうんで必死でした。その体制じゃつらいんで、また一人コックさんを増やしてやってましたね。

――飲食業だと資金も最初大変だと思うんですけど、そこら辺は。

自己資金はね…ゼロでした。

県の融資でコックをずっと長くやってると融資しますよっていう制度があるんですよ。

ただ自己資金がある程度無いといけなくて。二十歳の時から親に「自分で将来店やりたい。」って話してて自己資金は、その親のを少しかりて充てたんですよ。

――泰山を開店される前からコックさんを長くされていたということですか。

二十歳の時からずっと中華料理のコックですね。専門学校も行けなかったんで、すぐ会社に雇われて働いていました。

人に言われてやるよりかは、自分のやりたいことをやりたいので、最初から自分店をでやりたいなとは思ってましたけど。

――ずっとそこでお勤めになられたんですか。

二年くらいはその会社にいた後に、幕張の方で新しくオープンする店があるから、そこで働かないかってお話があって、そこで働くことになりました。

その時いた人たちが皆凄い勉強家で。影響されて、一生懸命料理の勉強を始めました。それまでは何となく働いてたような感じだったんだけども、どんどん勉強するようになりましたね。

その後同じ会社の新宿のお店で働きました。その頃青山にいる中国人の凄い有名な北京料理の先生の料理を食べた時に、これどうやって作るのかな。もう給料もらわなくてもいいから働きたいなと思って、ちょっと知り合いがいたので、そこに入れてもらいました。

その後には、幕張の時チーフでやってた人が独立をして、千葉市の方でお店を出したんですね。その時にちょっと一緒に手伝って、起業というか、経営というか、店を出すノウハウを勉強もさせてもらいました。

――起業に必要なノウハウなんてのは、例えば料理だけじゃないですよね。

お金の借り方だったり。人の雇い方とか。いろんなものをそこで勉強しました。そこの社長にも将来自分でやりたいていうのを伝えてたんで。そこで四年くらい働いたのかな。二、三年働いたころには親の方も、お前いつやるんだ、と。

――言っといた甲斐がありましたね。

そして千葉県の融資を受けることが出来て我孫子の店を開きました。その制度利用しないと、いきなり銀行行ってお金貸してくれって言っても貸してくれないんで。

――開店にあたって、その他にこんな苦労したなって振り返って思うのは。

今まで培ってきた料理のスキルとかあるからその時は自信があったというか、出来ると思ってたんです。もう勢いで始めちゃったような。

ただ常に自分でお店やることを意識はして、いつでもチャンスを手にできるような準備はしてたのかなと。

空いてる店舗があれば、こんな風にしてやったら面白いかなとか自分で勝手に考えて、イメージはしてましたね。

料理にしたり、サービスにしたり、お店の雰囲気だったり。それは今までに働いたところでも、感じるところはあったんだけど、言う立場じゃなかったんで…

――想いばっかりでスキルが追いついてなかったら実現しないですもんね。起業されたときに理想はある程度形にできましたか。

そうですね。でもこれもお客さんが求めているものなんで、時代によって変わってくるし、新しいのをいろいろ考えながら、っていうのが大事です。

中国人スタッフと築き上げる信頼関係。彼らから教わったこと

――我孫子の時から外国人スタッフを雇われていたんですか。

そうですね、本当に最初の最初からホールと調理場の両方で中国人スタッフを雇っていました。

――中国人スタッフを雇う一番の理由っていうのは何ですか。

一番は雰囲気のためですね。中国の人が料理持っていくと、雰囲気が出るじゃないですか。

あと本場に行かなくても、料理が味わえたり。いろいろ話して、自分の方も本場の考え方とか知識を得られるし。逆に日本の中華を食べてもらって、本場の人がどう思うのかもわかるのも大きいです。

――その人材はどこで情報を得て、雇用されるんですか。

知り合いから紹介してもらったり、タウンワークを出したり。十年前くらいだとタウンワーク出すと、すごく集まってきた。コックさんは同じ経営者の仲間に、経験のある人を紹介してもらっています。

――中国人スタッフに求める能力、採用基準とかは考えていたりするんですか。

サービス業なんで、接客など日本のお店のやり方を理解してくれること。

――日本のやり方というのは、中国と具体的にどういった点で違うんですか。

お客さんを思いやるとか。中国は賃金が安い分、日本と同じ仕事するにしても、日本の倍の人数でやってたりとか。日本だと、同じ仕事を半分でやらないといけない。そのペースに対応できない人もいます。

――就労ビザの関係で在留期間に制限があったりして、スタッフの定着などにも難しさはあるんじゃないですか。

そうですね。基本的に、短期間にお金を稼いで帰りたいという人が多いんで、入れ替わりは多いです。日本でずっとやりたいという人も中にはいるけれども、少ないのかな。

――今は人手不足だからって中国人を雇用するようになった飲食店も多いと思いますが。

確かにそういうお店もありますよね。これから日本の人口も減るし、どんどん外国の人が入ってきてもいいと思うんです。上手く理解して一緒にやっていければ。

仕事が出来るかどうかや、勤勉かどうかはやっぱり人によって違いますからね。中国人だからどうこうじゃないと思います。真面目にやってくれる人は凄い一生懸命やってくれますし。

――外国人に対する教育のために何か特別に取り組んでいることはあるんですか。

やっぱり会話だね。マニュアルを作っても守らなかったりしちゃうんで。日頃から、お客さんはこういう風にすると喜ぶねとか会話をして、理解してもらう。

シェフには最初はとりあえず泰山の料理を理解してもらう。それが出来たら自分達のやってきた料理を作ってもらって、みんなで食べたり。そしてこういう風にやるんだね、とか言うと喜んでくれます。

――飲んだりとか、いろんなこと話したりとかいう関係に段々なっていき、スタッフの方から悩みを打ち明けられたりとかはありますか。

多少はありますけどね。やっぱり、仕事って人それぞれ目的が違うじゃん。お金だけ稼ぎたい人もいるし、料理を覚えたいって人もいるし。日本で自分で商売したいっていう人もいるし。それぞれにね、望んでいることをなるべく教えてあげたりできたらいいのかなっておもってます。

――ただ使われるだけじゃなくて、一緒にお店を作ってるっていう感じがありますね。

やっぱりね、人それぞれ人生があるんで。ずっと雇われちゃ嫌だっていう人もいるじゃないですか。夢を持ってやりたいっていう人を、なるべくお手伝いできればと思ってるんです。

泰山

――日本でもっと外国人が働きやすくなるために必要だと思うことはどんなことがありますか。

働きにくる本人のやる気次第だと思う。簡単に来て、ちょっとこう働いたふりして稼いで帰っていきたいっていう人もいっぱいいるので、真面目に日本で働いて、生活したいていう人であればやっていけると思う。

――こっちのほうが給料は高いから、貯めて帰りたいとか、田舎に送りたいとか、そのようにお金の目的の人も多いだろうなと思うんですが。

それはそれでいいと思います。ただね、それをするためにはこの泰山で自分の力を発揮しないと。ただ来ただけでお給料もらえるわけじゃないですからね。

でもあまり国、何人だからていうのはあんまり気にしないんです。日本人には日本人の良さを引き出してあげる。中国人は中国人の出来ることをやってもらうという。

――安村さんもこだわりを持ってらっしゃると思うんですけど、同時にその店員さんの提案を聞いたりとか、良さを引き出すとか、自分のこだわりを押すだけではなくて、引き出していくっていう姿勢を強く感じます。

ま、それが出来ているかどうかは分からないですけど、それを心がけていることは確かですね。いろんな可能性があるんでもったいないじゃないですか。それをもっと上手く引き出せるように自分もちょっと努力しないといけないのかなって思っています。

安村雄一さん/泰山

 
 
 

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