ジーンズを直した人が、5年後も喜んでくれてればいいんです。(4)矢島太郎さん・さくらさん / ジーンズリペア ゴエモン
- インタビュー・構成:山脇耀平
- 2015年11月3日
- 読了時間: 4分

創業から10年以上、夫婦二人三脚で続けてきた
ーー他に苦労されたことなどありますか
矢:警察署にイベントの届け出を出すときに、ちゃんとした組織であることが証明できないと、通らなかったります。そのあたりの壁はけっこうありますね。確かに開催場所で営業してるお店の人たちからしたら邪魔だというのもわかるんですが。
ーーじゃあ柏の組織が中心になった大きなイベントの方がやりやすい。
矢:ところがそれはそれでまた難しくて、大きな組織の中でいろんなところとやろうとすると、意思疎通が全然うまくいかなかったり、大変です。
例えば会場に設置する荷物の搬入搬出。僕は結構細かいので、時間単位で各店舗の人たちにタイムスケジュール配り、搬入出時間を全部仕切ってやろうとしたんですが、なかなか思うように動かすことができない。バスも止めてしまったりして、組織をうまく動かすのは難しいなと思いました。
さ:神経使ったね、もう笑
ーーイベントを主催しようと思ったのはどうしてですか。
矢:例えばウチががすごく田舎にあったとして、そこに人が来てくれるかといえばやっぱりすごく難しい。ウチが柏にあって、他にもお店がたくさんあるから、まあついでに行ってみようと思ってくれるお客さんがいる。そういう”柏の力”があると思ったので、それを活かさないのもったいない。ウチだけの力なんかでは絶対集客できないので、じゃあ柏の力を借りないとと考えました。
この先のことを考えて、自分たちが食ってくために柏を盛り上げる。柏が盛り上がるのは他のお店にとっても絶対に必要なことなので、これからもイベントは続けていきたいです。
ーー物件選びにしてもそうですし、つながりで生まれていることは多いですか。
矢:難しい質問ですけど、ありがたいことに、今までの縁は自然にできたものだと考えています。ただジーンズリペアということで、古着屋さんや洋服屋さんとつながりをつくりやすいポジションだとは思いますが。
ジーンズを持ってきてくれた人が喜んでくれて、5年後も喜んでくれてればいい

ーーゴエモンをオープンしてからのこれまでを振り返ってみて、いかがですか。
矢:振り返ってみると、つねに背中を押してくれた人がいた気がします。
さ:起業を迷っていた時にも、とある先輩から「お店やるのはな、情熱だよ」って言われましたし笑 「なんかすげえな」と思って笑 その人の言葉もけっこう大きかっ
たですね。もちろん情熱だけじゃいけない時もいっぱいありますけど、当時の私たちにはその言葉がすごく響いたというか。
ーーどういう点で起業を迷っていたんですか。
矢:やっぱり怖いですよね。だって全て自分で稼がなきゃいけない。お客さんがくるかどうかもわかんない。で、先に同じことで成功しているモデルがいるわけでもない。
でも最終的には「不安も大きいけど納得もいく」と考えたから決意しました。65歳とかで定年迎えたとしても、今のこの技術があればちょっとはやっていけるのかなって。そんな考えがつねに頭の中をぐるぐる巡ってます。
さ:太郎のような技術職は、年を取れば取るほど経験がついて説得力が増すので、今となっては歳をとるのも嫌じゃじゃないなって思いますよ。
ーー10年間ずっとお客さんが途切れないというのはすごいですね。先見の明があったというか。
矢:運が良かったんですかね。もともとの性格上、例えば競技人口の多いスポーツとか、「そんなライバル多いところに行ったって、トップ取れねえじゃん」と思うタイプですし、少ない所を選んできたので笑
一つのことに集中して突き進んでいった方が、お客さんも受け入れてくれるんじゃないかと考えています。やっぱりどこかに特化した方が追求できますし、性に合ってます。
ーー今後もジーンズリペアの道を追求していくと。
矢:そうですね。それが正しいのかはわからないですけど、これからも独自に腕をみがいていこうと考えています。その中でお客さんを満足させたい。ウチを選んでジーンズを持ってきてくれた人が喜んでくれて、5年後も喜んでくれてればいいんです。
たまにいるんです、5年ぶりにお店に来てくれて「前回ここ直してもらったんですけど」っていう人が。そのとき思うんです「ああ、そんなに丈夫だったんだ、俺のリペア」って。やっぱりそれが何より嬉しいです。
電話:04-7167-9125
営業時間:月・火・水・金・土は9:00~19:00 日・祝祭日は10:00~18:00
定休日:木曜日・第3日曜日
矢島太郎さん・さくらさんインタビュー
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