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ジーンズを直した人が、5年後も喜んでくれてればいいんです。(1)矢島太郎さん・さくらさん /  ジーンズリペア ゴエモン


2004年に創業し、翌2005年柏に店舗兼工房を構えた「ジーンズリペア・ゴエモン」。当時ジーンズリペア専門業が全国に2、3店舗しかない中、丁寧なリペアを追求し多くのお客さんから信頼を得る。

その実績はメディアにも多数紹介され、今では依頼から完成まで数ヶ月待ちの人気店に。これまで数え切れない本数をリペアしてきた職人は、柏で店を構えることに、何を感じているのか。

ジーンズリペア・ゴエモンのオーナー・矢島太郎さんと、奥さんのさくらさんにお話を伺いました。

やっぱり、多くのお客さんに来てもらいたい

ーーいきなりなんですけど、毎日のお仕事は忙しいですか。

矢島(オーナー。以下、矢):そうですね、おかげさまでお客さんにも3ヶ月くらい待っていただいてるので、忙しいです。

ーー1日に修理できる本数はどれくらいですか。

矢:ものによりますね。30000円以上の大掛かりな修理になるときは1本もできない日もありますが、2000〜3000円の簡単な修理であれば1日平均2、3本はできます。

ーーじゃあもう修理をずっと淡々と。

矢:そうですね、集中が途切れることもあるけれど笑 基本的には1日中やってます。

ーー値段が安いものと高いものでは、どういったところが違うんでしょう。

矢:まず、直す箇所の数が違うのと、あとはどこまで丁寧に直すかですね。修理の度合いはお客さんの要望によってある程度合わせますが、お客さんが望んでるところだけをやってしまうと、またすぐに破けてしまったりします。なので安ければ安いなりのリスクをきちんと説明して、そうじゃない、しっかりした方法でやるかも選べるようにしています。

ーー修理の度合いを幅広く選べるんですね。

さ(さくらさん。以下、さ):値段があまり高すぎてもいけないと思っているからです。やっぱりそこまで望んでいないお客さんもいるので、比較的手の出しやすい価格の代わりにちょっとリスクがあるけども、応急処置として直しておきましょう、というのも用意しています。

柏駅から離れたウチまでせっかく来てくれたお客さんに、値段が高いからという理由でお帰りいただくのは申し訳ないですし。

ーー修理する上で神経を使うところはありますか。

矢:お客さんから預かったジーンズに使用されている糸と全く同じ糸をウチが持っているわけではありません。なので手持ちの限られた糸をうまく組み合わせて、なるべく元のジーンズの色になじませるようにするのが難しいですね。きちんとなじませられるかどうかつねに真剣勝負です。

ーー確かにそれは難しそうですね。

矢:糸を選ぶだけでも10分以上かかるのはしょっちゅうですし、1回補修して「うわ! これ違った!」って全部やり直すこともたまにありますし、大変です。

多くの同業者に方は面倒くさがって、ごまかしたりもします。でも僕は諦めたくないんです。

ーー値段はどのようにして決めるのですか。

矢:最初にジーンズを見せてもらった段階で、僕がその場で修理にかかる時間を予測して見積もりを出します。なので予測より時間がかかってしまったら採算が合わないです笑

この仕事をもう10年やっているんですけど、最近では見積もりも過去の経験を参考にして瞬時にできるようになってきました。

ーー職人芸ですね。

矢:ウチにジーンズを持ち込まれてきた方だったら、その場ですぐ「値段はいくらくらいで、いつくらいまでに仕上がります」とお答えしないといけないし、期限に間に合わければお客さんにとても迷惑をかけてしまうので、見積もりはスピーディーかつ慎重にやっています。

ーーお店への持ち込みだけでなく郵送にも対応してらっしゃるようですが、どちらのお客さんが多いですか。

矢:最近は持ってこられる方が多いです。お店を始めて数年は郵送の方が多かったのですが、その傾向はここ数年で変わってきてますね。

というのは、お店を始めたころは、この「ジーンズリペア業」という業態自体が、ウチがけっこう”はしり”みたいな存在で、同業種が他には全国に2、3件しかなかったんです。

最近では同業種もすっかり増えちゃったんで、郵送で送ってくれる遠方のお客さんよりは、千葉、東京、茨城あたりの比較的近郊のお客さんが増えましたね。

ーーゴエモンのHPを拝見して、載ってたメディア掲載実績がすごいなと思いました。

矢:ありがとうございます。もちろん雑誌などで知ってくれたお客さんも多いんですけど、一番多いのはインターネットの検索ですね。

ーー検索で知る人が多いというのは、それだけ検索エンジンの上位に表示されるということですよね。

矢:独立して仕事をしていると、多くの人にゴエモンの存在を知ってもらうことが大切で、リペア作業のことだけじゃなくて、どうやれば検索順位をあげられるのか、とか考えているからですね。

さ:やっぱりそういうところまで考えなきゃいけなくて、SEO対策なんて言葉も知らないときから、インターネットに詳しい友達に聞いたりしていました。

ーそれはお店を始めたころから。

さ:はい。パソコンの使い方もよくわからなかったんですけど、HPも自分で作りました。

HPにお金をかけられなかったので、自分たちで頭を使ってやるしかなく、どこにどんなキーワードを入れたら上位にくるのか、テキストはどういう風にすればいいか、試行錯誤するうちにコツがわかってきました。おかげさまで今は検索上位を保ててます。

ー多くの人に知ってもらいたいという考えの裏には、どういった思いがあるんでしょうか。

矢:やっぱり、多くのお客さんに来てもらいたいんで。ここが多分同業者の方と違うところかなと思っています。

ジーンズリペア業をされてる方って、ご自身も、ものすごくジーンズに詳しくてお客さんも自然とそういったマニアな方が対象となっていると思いますが、僕に関してはマニアな方だけが対象ではなく、もっと一般的な方たちにもジーンズを直せることを知ってほしいという思いがあります。そういう意味で僕はけっこう異色だと思います笑

もともとの始まりがそうなんですよ。僕はジーンズが好きだったから始めたわけじゃなくて、たまたま対象がジーンズだっただけというか。

矢島太郎さん・さくらさんインタビュー

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