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子どもと向き合い、まちの人をつなぐ。(2)辻義和さん  /  ネクスファ


「みなさん愛着を持ってくれていて。子どもだけでなくて大人にとっても第三の居場所になってきているのかな、とは感じますね」

まちの居場所として、まちのひとに愛される場所になるために。

――ネクスファ起ち上げの理由の1つである学童保育ですが、実際運営を続けてきて柏の学童保育へのニーズは高いと感じますか?

高いですね。2種類のニーズがあると感じています。

1つは保育ニーズです。共働き世帯が柏でも増えてきていて、放課後過ごす場所へのニーズは高まっていると思います。都内で働いているとお迎えの時間に間に合わない方とかもいたりして。一応うちは学習塾もやっているので、遅くなっても大丈夫だよって対応しています。

もう1つは教育ニーズです。先ほど話にもでた、様々な体験型のプログラムに惹かれて、入会を希望してくれている方がいますね。

――学童保育の利用者が高学年になって学習塾も利用し始めるというように、2つの教育機能を備えることで継続的な利用につながっていたりするのでしょうか?

小4ぐらいになると自分で家も帰れたり遊べたりするし、低学年が賑やかに過ごしている中にいるのがちょっと。。っていうことで、高学年になると学童保育を辞めちゃう子もいるんです。

でも、ここに対して居場所っていうのか、愛着があるっていうのか、ネクスファを続けたいって言ってくれる子がいて、そういう子に学習塾を利用してもらっています。

なので、高学年になると、学童保育と学習塾の両方っていう子もいれば、学習塾だけっていう子がいて、学童保育から利用し始めて、継続的にネクスファを利用してくれていますね。

――子どもとの関わり方についてこだわっていることはありますか?

そうですね、学童保育ではスタッフ1人に対して、子どもが6,7人くらいの人数比でやっているんですが、子どもの数に対するスタッフの人数としては、他の施設と比べると多分多いと思います。

保育や教育の場では、大勢の子どもに対して、放置、見守り、管理のどれかで対応することがほとんどなのですが、管理も放置もやりたくないなって思いがありました。やっぱりそこは子どもが変化しているか見たいし、子どもが出すメッセージを受け取りたいな、と思っていて。

でもその一方でスタッフが多すぎると、子ども同士の関係性も出来なくなってしまうので、今の人数比ぐらいがちょうどいいかなと思っています。

――どんな時に子どもたちの成長を感じますか?

学校もあるし、家もあるのでどこで成長をしているのか分からない、子どもを相手に仕事する難しさはありますね。ただどんどん意見を出してもらうとか、表現してもらうとか、そういうのが普通に出来ているのかなとは思います。

――学童保育のスタッフはシニアの方から学生、主婦など幅広い世代にわたるとお聞きしたのですが、スタッフはどのように募集しているのですか?

これが結構様々なんです。僕だったり、ネクスファのコアなスタッフとかの友だちで集まってくれる人が多いですね。教師や保育の職に就きたいって考えている学生や、保育園で働いていましたっていう主婦の方が来てくれています。

シニアの方には当初、東京大学がセミナーを開いてくださって、そこでネクスファに興味をもってくださった方が関わってくれました。

核にあるのは子どもなんですよね。小1の子が小4になっているその成長っぷりをみるのが楽しいって感じてくれていて、スタッフを希望していただけてるように感じます。

あとネクスファの卒業生が、スタッフになってくれることもありました。これはこれからもうちょっと増えていくと思います。嬉しいことに、みなさん愛着を持ってくれていて。子どもだけでなくて大人にとっても第三の居場所になってきているのかな、とは感じますね。大人の方にも居心地が良い場所ということをこれからも意識していきたいです。

――スタッフに対して、ネクスファの保育・教育方針として伝えていることなどはあるのでしょうか?

あんまり方針を立てないというのが方針ですね。大学生の接し方とシニアの方の接し方が違っても当然だと思うんです。

ネクスファはこうあるべきだって決めちゃうと、つまらなくなってしまうだろうし。なので、それぞれの価値観でやってくださいって言ってます。

ただ、第三の居場所であり、人が育つ場所であり、相手への意識を育む場所である、という3つの理念はあるので、それについては意識してほしいと言っています。

あとは、やっぱり子どもであろうと大人であろうとダメなものはダメなので、ダメなことをした時にはちゃんとダメって言うこととか、そういう時は子ども扱いしないで言うようにして欲しいと伝えていますね。

――一方で親御さんとのコミュニケーションで大切にしていることはありますか?

割と距離感が近いですね。学童保育では必ず親御さんに迎えに来てくださいって言ってます。安全面が一番の理由ですが、迎えに来ていただくと日々会話ができるので、そういう交流の仕方を大切にしています。

あと、家庭で過ごす時間って、子どもにとって一番影響が大きいのかなって思うんです。なので見ていて気になる親子のコミュニケーションとかは、見過ごさずに工夫してそのことをお伝えしています。

――目標にしている教育施設などはあったりするのでしょうか?

学童保育について言えば、都内ではないです。

都内の学童保育を批判するつもりは全くないんですが、都内は親御さんのニーズに合わせた運営をせざるをえない状況にあるんですね。具体的にいうと、預かる時間が22時までとか、晩御飯出しますとかです。

うちもたまに21時までいる子もいるんですけど、晩御飯は出さないですね。それはやっぱり家で食べてもらいたい、家族でコミュニケーションとってもらいたいって思うのと、ネクスファがそういうサービスの場になっちゃうと、どこまでもニーズが広まっちゃうのかなっていう思いがあって。なので、そういうニーズにお応えするのとは一線を引いた形で運営しています。

私の好きな学童保育の一つに、埼玉の本庄早稲田にある「まちの背守り保育園 じいじとばあばの宝物」というところがあります。

空き家を利活用して、子ども達が薪を割ったりとか、木に登ったりしている、野性味あふれた学童保育なんです。もちろん公園には連れて行ったりするんですが、うちは街中にあるので、どうしてもそういうことは出来なくて、そういう点がうらやましいです。

例えば刃物を使うって危ないですけど、使い方をきちんと教えれば、ある程度は大丈夫かなとは思っていて、なんかそういう許容の仕方っていうか、そういう場の作り方は憧れますね。

辻義和さんインタビュー

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