ローカルとグローバルの視点を併せ持つ敏腕姉妹経営者 (3)浅野美紀さん / えくすて家napick
- インタビュー・構成:内野紗也香
- 2015年10月30日
- 読了時間: 6分

やりたいこと全部やってやる。それが経営者としての思い。
――浅野さんにとっての経営者の仕事って、どのようなものですか?
経営者になってくると365日いろんなことを考えてます。
どんなことが仕事につながるかっていうことは、飲んでたってここ内装いいじゃんとか、テーブルの木目いいじゃんとか、大体ずっと考えてますね。
――バンコクに出店したり、中国からエクステを直接輸入しているとお聞きしました。
タイはうまく回ってます。
中国は100坪の土地にセレブ仕様のお店を開いてたんですけど、結局トントンだったから、おいしくないなって思ってやめちゃいました。

――海外進出のきっかけは?
やっぱり人ですよね。
最初は営業にきて知り合ったんじゃなかったかなあ…人の繋がりって突然じゃないですか。最初はうさんくさくても、そこからたまたま続いてる人の関係です。
――その辺の嗅覚ってすごいですよね。
私、人を見る目ないんですよ、貧乏くじ引いちゃう。
結構ね、すぐ信頼しちゃうんですよ。そうすると向こうも信頼してくれてるんじゃないかな、まあ騙されても仕方ないか、って。
――海外出店もですけれど、お店をどんどん立ち上げていくばかりではなく、撤退の決断も早いですよね。
基準は、やってて自分が大変だからっていう基準です。
売り上げもすごく落ちてるわけじゃないし、やれば上がるくらいなんだけど、自分が大変になっちゃうと大変だから。
子育てしながら、呼ばれたらあっちいってこっちいってってしてたら、激ヤセしちゃって。
お酒もおいしくないくらい疲れちゃって、これじゃだめだなって思って撤退しました。
――柏の、個人レベルのお店の中でここまでグローバル志向のあるお店はあまりお見かけしないですし、柏の青年部など地域活動にも積極的になさっていますよね。ローカルな部分とグローバルな部分の両立はどのようになさっているのですか?
両立っていうか、やりたいこと全部やってやろう、って躍起になってて。ここ2年で会社と社団法人5個作っちゃってるんです。あと留学の会社も作っちゃって。
やれるときにやらないと、やらないじゃないですか。気分がのってるときにやらないと、めんどくさいですよ、投資とか。のってるときにやっちまおうっていう、そういう力はすごくあると思いますね。
――海外進出をしたらグローバルって部分で頑張ろうって思ったり、地域ならその地域内に根を張って頑張ろうって思ったり、どちらかというとそう思う人が多いかなと思うのですが。
私、逆なんですよね。怖いなって思ってるんです。柏だけでいくのが。
だから松戸にもお店を出してますし… もちろんタイや中国も含めて、チャンスがあれば本当は色んなとこでやりたいの。でも今は商工会の青年部活動にはまっちゃったから、ちょっと労力がないんですけど。
「私変えたかったんですよ、市民活動っていうカテゴリーを。」
地域活動に積極的に参加する理由。
――地元のほうでは、柏まつりなどをあそこまで頑張ってされているのは、やっぱり地域貢献の気持ちが強かったんですか?
柏の地域活動、ボランティア、市民活動みたいなことをするのは、自分の中ではステータスなんですよ。なんか、やってるぞ!っていうのを言いたい、みたいな。
あと私、すっごく変えたかったんですよ、市民活動っていうカテゴリーを。
みんな、ボランティアだけじゃ生きていけないじゃないですか。
だけど市民活動の人たちって、この活動をやったらなにか見返りがある、っていうのをみんな何か持てているのかな。市役所から、お金をもらうようなポジションまでもってける人はいいけれど、持っていけない人は、結局ボランティアで終わっちゃう。
ボランティアって一生続かないっていいますか、お金とか資金源がないとやれなくなってしまうと思うんです。私はそこを変えたかったんですよ。そういう人たちにどうにか予算を、って。
私が柏まつり委員長やったときには、パレードで市民団体の人にたくさん歩いてもらったりしたんです。
なんで市民団体を沢山巻き込んだかっていうと、その活動をたくさんの人に知ってもらいたい。そこから新たなビジネスに繋がったり資金が集まるようなことができれば成功。
でも、それ一回じゃ私一発屋で終わっちゃいますよね。そういうことをコンスタントにできないかなあっていうのを、ずっと考えてるんですよね。

柏が好き。だからもっと色んな人が地域の活動に関わってほしい。
――最後に。今後自分の商売をどうしていきたいか、そして柏の街がどうなっていってほしいかをお聞かせください。
まず柏の街の中心市街地が、ドーナツ化現象みたいになるのが怖いです。どうにか踏ん張ってもらわないとね。
街の活性化に向けて一人で頑張ってもしょうがないので、もっと周りを巻き込んで、女の人たちが一緒に活動してもらえればいいんですけど。
これから絶対柏は落ちると思います。どんどんどんどん。それをどうにかしたいなって。
色々頑張ってる人たちもいるけれどね。
自企業は、この柏の街で商売させていただいてるので、柏の街の土台がしっかりしてないとダメですよ、っていうスタンスなので、だから地域活動を頑張りたいっていうのもあります。
自分の今後が上がるか下がるかは、柏の街がどうなるか次第じゃないかな。
――柏がもし衰退していってしまったら海外メインの展開になっていきそうですか?
柏が好きなので(笑)やめないとは思います。大赤字にならない限り。
どうしようもなかったら、あとは縮小していく感じですかね? 業態変えるとか、その時のニーズに合わせて。ダメだったらダメで、いまの業態はつぶしちゃって。
ただ、その大赤字になるかならないかは柏の土台によるから、私たちだけじゃなくて、若い人たちに頑張ってもらわないといけないなって思ってます。
起業において大切なのは、自分が楽しんでいるかどうか。
――今後お店を開きたいと思っている人に、何かメッセージはありませんか?
気軽に、すぐ起業しなよ、って(笑)
簡単だよね、テナント契約したらもうやるしかないですもん。まずもう、すぐテナント契約して契約書書いてさ。契約したら焦るから。家賃が発生するし、それが日割りしちゃったりするんですよ。
ひとまず、テナント契約しろ(笑)そうしないと動かないですよね。みんな腰が重いんですよ。事業計画書書かなきゃとか、資金集めなきゃとか。石橋を叩きすぎちゃって渡らないんですよね。
それで歳とっちゃたりさ。いっぱいいるじゃないですか。時間がもったいないなって。早くやるに越したことはないと思います。
――勢いって大事ですよね。浅野さん流のビジネスの種の見つけ方はありますか?
自分が好きなことをやれ。お金儲けはまず考えるな。あとからついてくるから。好きなことやってれば大体ついてくるでしょ。たぶんね。
自分が楽しくないと、長続きしないだろうしとダメだと思います。人生楽しんだもん勝ちだし。
…でも40過ぎたらもうちょっと石橋叩こうかなって(笑)

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浅野美紀さんインタビュー
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