ローカルとグローバルの視点を併せ持つ敏腕姉妹経営者 (1)浅野美紀さん / えくすて家napick
- インタビュー・構成:内野紗也香
- 2015年10月30日
- 読了時間: 5分

まつげや髪の毛のエクステ、ネイルをはじめとする美容院を妹の亜紀さんと経営する浅野美紀さん。
タイでのサロン経営など海外展開も行っている傍ら、柏商工会議所の青年部で柏まつりの実行委員長として活躍する一面も持っている。「満員電車に乗りたくない」、その思いで姉妹は起業を思いきる。
ソフトウェア会社などで働いて培った技術をフル活用し、ウェブサイトは勿論のこと、名刺まで自分たちの手作りだ。
なぜ「柏だけ」「海外だけ」の経営ではないのか――浅野姉妹が目指すローカルとグローバル、ふたつの視点を併せ持った経営に迫る。
熱心に話をするその姿に、地域の人に支えられ、また自分も柏のために尽くしているたくましい母親の姿が垣間見えた。
女性の多い職場ならではの工夫。
――まずはじめに、お店についての概要をお聞きしたいのですが、行っている施術はヘアエクステとまつげエクステですか?
まつげエクステとまゆげのラバンクールと、ネイルもやってるし、エステもちょこちょこやっています。ラジオ波とかキャビテーションとか、脂肪冷凍とか脱毛とか。
――えくすて家napickをはじめに立ち上げたとお聞きしましたが、他に何か経営していらっしゃるお店はありますか?
――ブログやHPを開設していますが、そういったもので来店するお客様が多いですか?
ホットペッパー集客が一番多いですね。Facebook、Twitter、あとアメブロとかやっているけれど、やっぱりホットペッパーかな。口コミも紹介もあるけど、それなりにお金をかけている媒体からのお客さんが一番多いし、妥当だと思う。
――お客様はやはり柏にご在住の方が多いですか?
うちはそうでもなくて、茨城が多いですね。もちろん埼玉の三郷吉川辺りからも来るし、野田の方からも来るけれど、すごく茨城の人が多いです。あんまり向こうにお店がないから、柏に買い物するついでに来るとか。若い子はね。
Aion Lashになると、また年齢層がぐんと上がるのね。30代後半から50代近くになってくるのかな、そうなってくると、柏の人とかその近辺の人が多いです。
――napickを経営していて、一番苦労した点どのあたりでしょうか?

一番大変なのは、やっぱり人の育成かな。女の職場なので、みんな出産する。それで帰ってくるタイミングが人それぞれでしょう。
今年は、4人出産してて、それでいつ帰ってくるかわからない。今月に入ってからいきなり3人も、スタッフが急にいなくなっちゃうと困っちゃいますよね。お店、回らないっていうか。
そういうのが毎年あって、多い時で休んでる人が5人っている年もあって…そこかな、大変なのは。
それで、急にぼんって職場復帰して。そうすると人件費がぐっとかさむでしょ。で、スタッフが減ったら減ったで予約がそんなにびっちりとは入れられないから売り上げが減るでしょ、っていうことになってしまいます。
うちは法律にびしっと沿ってやってるから、そういうのとかを守っていくと、経営者側はすごく大変です。
職場復帰がタイミングいい時もあるの。ただ、小さいお子さんがいると5時までとかしか働けないから、そこから後の時間帯の予約が取れなくなっちゃったりとか、1人しかスタッフ残れなかったりとか。
napickは営業時間が10時から19時なんですけど、残業ゼロでぴっちり終わりますし、お客さんが途切れて暇があったらお店を閉めて帰る日もあります。
あと、運動会とか授業参観とか大体どの学校も重なるじゃない?そういうのとかも、もう全部プライベート優先ということでうちはやっています。
経営者として、また母として働くということ。
――経営者としては、通勤している人に比べて時間の縛りが少ないとも思いますが、その方が子育てと両立しやすい、ということはありますか?
子供が熱出してもパって迎えにいけるとか、そういう良さはありますね。時間を自分で作れるからね。特に女性はね。
臨月まで働ける会社ってなかなかないし、辛いもん。自分も、つわりもひどかったし、通勤も辛いしおなかも大きくなるし… 私と妹は、出産して2、3週間でお店に出たんです。自分たちが稼がないと食べていけないし。お客さんもいっぱいいるからもったいないっていうのもあって。
そういう、復帰できるならすぐする、疲れたら休めるっていう状況に持っていける仕事を作ったからいいけど、そういうことは、全員が全員できないような世の中ですよね。だからといって、経営者側がそれを作ってあげることは、リスクがすごく高くてできない。
でもこういうことに悩むのは女性経営者だけで、全ての男性がってことではないんですけど、男性は子育ての大変さを知らないし、子育てしてきてないからわかんないし、働けばいいだろ?って感じなんですよね。働きたいんだったら、働けばいいじゃん、子ども預けて、みたいな感じ。
は?って思いますよ。子供ってすぐ風邪ひくし、そうなると女性は働けないんだよ、って。それで保育園も預かってくれない。どうしようどうしようってなっちゃいますよね。
うちなんか、仕方ないからスタッフの子供をフェイシャルベッドのとこに寝かせて、泣いたらおんぶしながらお客さんの髪を洗うとかしょっちゅうありますよ。
――病気になると普通の保育園は預かってくれないですよね。病児保育とかが制度的にできるかってことと、居心地がいいかっていうことは別ですもんね。

自分が心苦しくなるんですよね、すみませんすみませんって。
うちの店だって、結局5時上がりになっちゃったり、病気の子供のお迎えで早上がりとか、それを補うために営業時間を自主的に朝8時からとかする日もあります。
早い時間からお客さんを取れば心置きなく3時とかに帰れるし、スタッフが自分でたちでそうしていいですか?って言ってくるの。
お客さんでもたまにニーズがあるんです。8時からまつげエクステできるお店ってないじゃない。今はそういう営業の仕方でやってますね。
逆に遅くまで残れる日は遅い時間でもお客さんとったりとか、みんな自分の居心地のいい環境を作ってます。それでいいよって言ってるし。
うちの従業員たちはみんな賢いなあって。まあそれがベストな答えかなって思ってます。
浅野美紀さんインタビュー
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