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音楽仲間と飲む、一杯のビールのために。(2)南部 一樹さん / DOMe柏


柏にはシーンを守り、作ってきたお客さんがいる。

――移転するときに次も柏でと思っていたとのことでしたが、柏の音楽シーンや客層をどんな風に捉えていたんですか?

松戸とかもいいんじゃないかとか、都内も考えたんですけど、そうですね、やっぱり出てる地元バンドっていうか、これからなんかしようって人が周りにいたもんですから、柏がいいなと思って。柏は、ジャンル的にはハードコアとか多いんですよ。

――kamomekamomeとか、あの時代からの。

そう(笑) そういうお客さんは、地元すごい愛してますね。酒もすごい飲むし。

なんとか地元のライブハウスをなくさないように、普段出演者で出てる人もお客さんとして来て、ぶらっと来て飲んで帰ってくれたり。なんとかこう、ここを守ろうっていう人が多いですかね、やっぱり。

柏には有名なバンドがそんな来るわけじゃないですよね。有名なバンドだと、東京がお客さんを吸い上げていくと思うんですけど、ローカルなバンドだと、どうしても最初友達を見に来て、違うバンド見て、あ、いいなと思って、どっちも気にいったみたいなことでまた来てくれるっていうのが多いですね。

――このお店を通して、お客さん同士も新たな出会いが生まれるようなこともあるんですね?

ああ、ありますね。ここに来てすごく仲よくなるお客さんも多いですし、バンドマンも、ここで知り合ってツアーやるときに呼んで一緒にやったりするし。

お客さん同士で結婚する人とかもいますしね。まあ一個の出会いの場というか。ここで知り合ってバイト一緒にしようとか、うちで人手足りないから働かないかみたいのもありますし。情報交換や出会いの場っていう機能はありますね。

僕らが気づく時には、この人どうやって来たんだろうみたいな人ばっかりなんですよ。それが、よく顔見るよねみたいなことになると、ドリンクカウンター入ってる人間は大体そういうの話して分かってる。よく来るけどあの人はこんな人だよ、みたいな。うちのスタッフは、すごくお客さんとしゃべってますね。

――音楽ジャンルの趣味の違う人たちが入り混じったりってこともあるんでしょうか?

僕の言うお客さんはバンドを含めてお客さんなんですけど、たまに同じ日で時間帯をずらしてゴチャゴチャの日もあるわけですよ。

そういう日は、上のバー・スペースはずっとジャンルごちゃ混ぜでたまってるんで、ここでやっぱり気が合えばジャンル違ってても仲良くなってくれます。そこは勝手に(笑)発展していくんですけど、結構、直に見たバンドって好きにならないですか?(笑)

――はい、なりますよ!分かります分かります。お客さんの来る範囲や年代ってどんな感じなんでしょうか?

そうですね、柏近辺の他には、つくばとか茨城県、あと横浜から来る時もあるし、関東圏はきますね。ジャンルごとにかなり違います。

お客さんの幅が広いジャンルは、なんだろうなあ、やっぱり歌モノっていうか。アコースティック一本でもできるようなバンドは広いですね。年代も下から上まで。もう50以上の人も来る時もありますし。音があまり大きくないんで。

ONE OK ROCK的な、ちょっとラウドロックみたいな感じのはやっぱ15~35歳くらいまでの間ですかね。客層が若すぎて高校生とかだと、地理的な意味でも、それほど遠くからは来ないっていうのもあります。

――集客面でのご苦労も結構あるのでしょうか?

それはもちろんありますね。有名なバンドはまあ客も来るんですが、僕は出だしのバンドと仕事をしたい。だけど、ジレンマがあるというか。やっぱりお客さんいないですから。その人らがこう、頑張って売れて集客できるようになってくれば、WINWINにできるんですけど、そこまでの線引が(笑)、どっから回収できるのかが未知数なんで。

CD出してても、まあお客ゼロの人もいますし、ここは柏なんで、東京から引っ張ってきたバンドだとかですと5~6人。20人入ったら結構いいみたいな。

――経営的には4~50人は入ってもらいたい?

そうですね。でも入った方です、40~50は。

ありきたりですけどHPとか、まあSNSでの集客に力を入れています。前はラジオとかもやってたんですけど、合わないんでやめちゃって。

そんな中でやっぱり期待感があるバンド、これから武道館とかいけるんじゃないかみたいな期待もたせられるバンドって、客きますね。

メジャーとつながっているということ。

――DOMeさんのスタッフさんはみなさんそれぞれのプロフェッショナルだと思うんですが、何人ぐらいいらっしゃるんですか?

今のスタッフは、僕なしで社員が2人、あとはバイトで、5人ぐらいです。音響とブッキング担当、あとドリンクとか受付だけの人もいます。だいたい平均して週に4回イベントがあって、他にダグアウトっていうリハーサルスタジオをやってるんで、そっちのスタッフも共有して行ったりきたりみたいな感じでやってます。まあ割とスタッフの一体感はあると思います。

ウチはどうしてもハコも小さいんで、音の善し悪しとかもちろんあるんですけど、それ以前にやっぱり、エンジニアのバンドマンとのコミュニケーション能力の高さを僕は見てます。音良くてもやっぱりこう、なんか全然喋んなかったりしたらあんまりよくないですよね、ライブハウスは。怖いみたいになっちゃう。トーク力が重要(笑)

最初はDrunkard’sのスタッフが丸ごとこっちに移転しましたが、今はもう3年たつんでちょっと入れ替わってます。僕は経営のほかに、PA(音響)でバンドのツアーに同行してたりもするんで、そこで知り合う仲間とかに声かけたり、情報交換とかもできるんです。

――柏でライブハウスを経営しながら、音響エンジニアとしての仕事も続けていることで広がってくネットワークもあるんですね。

そういうことです。あと、旅行に行けるし(笑)

経営的にも大きいですね。やっぱりそれも、柏のバンドが喜んでくれるからやってるような感じでもあるんです。

僕がメジャーをやってるっていうのがないと、うちに出てるバンドにとっても夢がないというか。田舎でやってるだけの人のところで演っても、あんま意味ないなと思って東京に行っちゃう人も多いと思うんですけど、僕がメジャーとつながって、メジャーの仕事をしてるっていう見せ方ですかね。

JUN SKY WALKER(S)がウチに来たこともあるんですけど、やっぱり僕が音響の仕事でジュンスカやってて、それで来てもらったみたいな。ユニコーンの電大とかも僕が前に仕事をしてて、それで来てもらった。結構、横のつながりでウチは、来てもらってますね。

ただ、PAのギャラってそんなにもらえる訳じゃないんですよ。ツアーについてってPA担当してるバンドがウチでやってくれたら、もう、何十倍も収入にはなります(笑)

だからといって、メジャーのアーティストをウチにやたらに呼んでくるのはなんか違う。メジャーのアーティストって、音響や照明、全スタッフを抱えてるんですよ。それで、結構嫌な思いをすることが多いっていうか(笑)

自分がそういう現場に行くのはすごく好きなんですけど、ウチでは若いというかこれからの人たちとやっていきたいっていうのは、それはもう一貫してずっと変わらない。

メジャーな人ってなかなかスケジュールが決まらなくて、日程押さえといて最後に急に空いたりすると、もう代わりのイベントが組めなくて逆効果だっていうのもあります。

お客様も今はフェスとかが一杯あって慣れてきましたから、前みたいに外人だ!なんてならなくてシビアですよ。

南部一樹さんインタビュー

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